2007年9月25日火曜日

英語の勉強

学会中に論文リジェクトを食らいました.よくあることとはいえ毎回へこみます.英語も直せとか書かれています.校正に出すと真っ赤になって返ってくるし,校正に出したあとでも書き方が悪いところはレビュワーに怒られてしまいます.

僕は自分では英語はまだマシなほうだと思っているのですが,やはりネイティブと比べると天と地ほどの差があります.冠詞も未だに迷うことがたくさんあります.「科学英語論文の書き方」みたいのは何度も読んで勉強しましたが,ネイティブはどうなのかが気になったので,先日ネイティブ向けの論文の書き方の教科書を買ってみました.

Essentials of Writing Biomedical Research Papers.

まだ全部読んでいませんが,かなりわかりやすく書かれた教科書です.

数量などで曖昧な表現は使わない.
無駄な名詞(-mentとか)を使わず動詞で動きを表現せよ.
意味の曖昧なBuzz-wordは使わずに正確に簡潔に.

なんて書かれてて,日本語の教科書とあまり変わりません.ネイティブも初めて論文を書くときは結構苦労するんでしょうかね.

2007年9月21日金曜日

2007年遺伝学会

岡山大学での遺伝学会が無事終了しました.

発表も概ね好評で,ためになるアドバイスもいただきました.学会は冬の分子生物学会までお預けなので,秋のうちにデータを貯めておきたいと思っています.

2007年9月15日土曜日

DNA模型

毎年研究所の一般公開を行うのですが,今年はこんなのを考えてみました.

ゾムツールという模型(LEGOブロックみたいなもの)でDNAの二重らせんを作れます.Aが緑,Tが赤,Cが青,Gが緑となっています.完成には10分くらいあれば十分なので,右巻きと左巻きの違い,ATGCの四種類の塩基のペアーなどについて理解して帰っていただこうと思っています.

ワイヤーフレームのモデルであれば色々なものが作れるので,子供の学習にも良いのではないでしょうか.僕も子供の時はパズルとかブロックとか大好きでした.

よく見ると写真の完成図は左巻き螺旋ですね.下手こいたー.

2007年9月13日木曜日

クモのプレゼント

チンパンジーがメスに贈り物,というニュースがあったのを振られて,「それなら虫だってプレゼントしてますよ」と答えたのが先日のこと.

と窓から外を見るといたるところに張り巡らされたジョロウグモの巣に小さな別のクモがいます.これはオスだなと思って調べてみたらそのとおりでした.

ジョロウグモのオスは餌をメスにプレゼントするようです.まあ,この場合は餌を食べているうちにコッソリ交尾するってのが正しい表現でしょうか.昆虫はこういうのが多いですね.

人間で真似をすると犯罪になりますのでくれぐれも気をつけてください.

2007年9月11日火曜日

霊長類研究所

先日は初めて京大の霊長研にお邪魔してきました.

普段研究の話をする相手が少ないので,人が多いとついはしゃいでしまいます.

写真はバイオリソースプロジェクトで放し飼いにされているニホンザル.檻の中で飼われるよりは良いでしょう.やはりニホンザルはかなり丸っこくて寒冷地に適応しているという印象を受けます.

熱帯のマカクより栄養状態は悪いはずなのに太っているということは,エネルギー代謝に関わる遺伝子が何か変わっているのではないでしょうか.

2007年9月10日月曜日

ベンター氏のゲノム配列

The Diploid Genome Sequence of an Individual Human

ベンター氏のゲノム配列が発表されたわけですが,最初にニュースを見て0.5%の差異と書いてあったので心臓が飛び出しそうになりました.今までは約0.07%のSNPがあると言われていたわけですから,これは大発見です.

と思って読んでみると,indel(挿入や欠失)を加えた数字のようですね.SNP自体は大体0.06%くらいで今までの推定とあまり変わりません.indelを見つけるのは,ヘテロで持っている時の同定がとても大変です.そこを初めて詳しく解析したということが科学的には重要な発見なのでハイライトにしたのでしょうが,少し紛らわしい表現です.

「ドナーは1946年10月生まれ,自己申告で白人男性」と書いてあるあたりにはユーモアを感じさせます.

見つかったSNPの85%はdbSNPにカバーされていたとか.こちらの方はなかなか興味深いです.

2007年9月3日月曜日

2007年進化学会

出席してまいりました.発表は色々詰め込みすぎたのか消化不足だったかも.テーマをひとつ削ってもう少し時間をかけても良かったかなと.ただ,再来週の遺伝学会での発表をメインに考えていたので,今回説明しきれなかった部分はそちらで詳しくやろうと思います.

発表でも少し触れましたが,長い時間スケールの進化と短い時間スケールの進化研究の断絶が日本では強いような気がします.これらには本来連続性があるので切り離して考えることはできないと思うのです.断絶というか素養の違いというか,生態学やっている人は分子進化や形態学に詳しくなかったり,その逆があったり.

自分の専門分野だけでなく,色々なものを学べる環境にある人は幸せだと思います.そういった意味では,進化を軸に色々な研究があつまる進化学会は見識を広めるいいチャンスではないでしょうか.

京大でドラマのロケをやっていて,正門が「帝都大学」になっていました.久しぶりに来た人はビックリしますね.